当センターは、環境省、研究機関、学校法人、自治体などとの連携に加え、(公財)日本動物園水族館協会生物多様性委員会や札幌市円山動物園との間で、野生生物の生息域外保全に関する包括連携協定を締結し、さまざまな保全プロジェクトに取り組んでいきます


当センターは、絶滅の危険度が高く、生息域外保全が必要とされる種について、以下の条件を満たす場合は、 全て受け入れます。

• 小型種であること

• 国内種であること、もしくは国際種であれば海外に連携できる機関が存在すること

• 保全の計画段階から、飼育技術者の立場で参画し、意思決定ができること

• 計画に出口(野生復帰)があること、またはその見通しが立つこと


希少沖縄陸貝類の生息域外保全

外来種による捕食の影響で急速に生息数が減少し、絶滅の危機に瀕している沖縄産の希少な陸貝類、アマノヤマタカマイマイとヘソアキアツマイマイの生息域外保全に取り組んでいます。

タカネヒカゲ八ヶ岳亜種の生息域外保全

八ヶ岳や北アルプスの標高2,500メートル以上に生息するタカネヒカゲは、気候変動やシカによる食草の食害などの影響で、生息数が激減しています。これを受けて、環境省が保護増殖計画を策定し、保全活動に取り組んでいます。当センターでは、技術開発の一環として北アルプス産の亜種を導入し、飼育に取り組んでいます。

アカモズの生息域外保全

北海道と長野県でのみ繁殖するアカモズは、生息数が急激に減少しています。減少原因は不明ですが、特に長野県における個体群の減少が顕著であるため、生息域外保全が開始されました。当センターでは、北海道大学、人間環境大学、豊橋総合動植物園と連携し、長野県産アカモズの分散飼育に加え、近縁種であるモズを用いた飼育・繁殖技術の開発にも取り組んでいます。

キタサンショウウオの生息域外保全

日本では北海道の釧路湿原と十勝の一部にのみ生息しますが、その生息環境は脆弱であり、緊急的な保全が必要な地域もあるため、生息地を有する自治体と連携し、生息域外保全を開始しました。

北海道産小型哺乳類の飼育下基礎研究

北海道大学および東海大学との連携のもと、トガリネズミ類の飼育下における基礎研究や飼育・繁殖技術の開発に取り組んでいます。もっとも身近な哺乳類でありながら、野外での研究だけでは生態の解明が困難であるため、共同研究を開始しました。

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ニホンザリガニの生息域外保全

北海道大学の研究員でありニホンザリガニの研究者である田中一典氏を招聘し、ニホンザリガニの研究室を設置しました。円山動物園との協定のもと、ニホンザリガニの飼育下繁殖技術の確立を目指すとともに、普及啓発の一環として、地元小学校に設置可能な飼育繁殖装置の開発にも取り組んでいます。

アジア産希少カメ類の生息域外保全

当センターは、環境省、大学等の専門機関、日本動物園水族館協会と連携し、絶滅の危険度が特に高い国内希少野生動植物種、またアジアを中心とした国際希少野生動植物種の生息域外保全・研究に取り組みます。

ミヤコカナヘビの生息域外保全

日本動物園水族館協会との連携協定によって実施している事業。宮古島諸島に生息する絶滅危惧種であるミヤコカナヘビの飼育下繁殖と系統保全を実施しています。

室内飼育環境下での、適切な照明技術の開発

京セラ株式会社、ピーエス株式会社との共同研究で、快適で質の高い室内気候デザインの開発に取り組んでいます。環境エンリッチメントとしての、適切な照明や冷暖房のあり方について、知見の集積を実施しています。

飼料の栄養解析と人工飼料の開発

大学等との共同研究により、飼料用昆虫類の栄養解析や、今後は絶滅危惧種を対象とした人工飼料開発に取り組んでいきます。